子どもが不登校になったとき、「親として何をしてあげればいいのか」と悩む方は本当に多いです。
キャンパス長として、たくさんの親子を見てきた立場から、先に結論をお伝えします。一番大切なのは、子どもがやるべきことを”奪わない”こと。 良かれと思った関わりが、かえって子どもの自立を妨げてしまうことがあります。今日は、その本音をお話しします。
不登校の子への接し方【結論:奪わない】
結論から言います。やってはいけないのは、「過保護」になることです。
ここで言う過保護とは、わかりやすく言うと——子どもが頑張るべきことを、親が代わりに頑張ってしまうことです。心配のあまり、子どもの「やるべきこと」を先回りして奪ってしまう。これが、最も避けたい関わり方です。
具体的に「過保護」とは何か
現場で見ていて、過保護だと感じるのは、たとえばこんな関わりです。
- 学校への欠席連絡を、子ども本人ではなく親がしてしまう
- 子どもの進路に口を出す。「いい大学に行きなさい」「そろそろ考えなくて大丈夫?」
- 学校の予定を親が把握して、子どもに伝えてあげる
一見、どれも「子どものため」に見えますよね。でもこれらはすべて、子どもがやるべきことを親が奪い、自立しようとする心を奪ってしまう行動なのです。
私はこうした親御さんのことを、心の中で「テイカー(奪う人)」と呼んでいます。愛情からの行動が、結果的に子どもの成長の機会を奪ってしまう。これは本当に、もったいないことなのです。
なぜ親は「奪って」しまうのか
もちろん、不登校の子を心配する気持ちは、痛いほどわかります。
特に今の親世代は、自分が子どもだった頃に不登校の人が少なく、「学校は毎日通うのが当たり前」という感覚を持っている方が多いです。だからこそ、子どもが学校に行かない状況が理解できず、口を出したくなる。心配で、過剰に守ってあげたくなる。それは自然な感情です。
でも、その「当たり前」を一度手放してみることが、最初の一歩になります。
h2:生き生きしている子の親に共通すること
逆の話をします。私のいる通信制高校で、生き生きと過ごしている生徒の親には、もれなく共通点があります。
それは、子どものことを信じ、認めているということです。
何を「認める」のか。それは、子どもが自分で選択したことを認めるということです。子ども自身が「これにする」と決めたことを、親が尊重している。その家庭の子は、本当にのびのびと過ごしています。
「学校に行きたくない」と言われたら
では、具体的にどう接すればいいのか。
子どもから「学校に行きたくない」と言われたとき、親が理解できない気持ちを、無理に否定する必要はありません。 「そうか」と受け止めるだけでいいのです。
そして、こうしてあげてください。
- 静かに、子どものそばにいてあげる
- たまに、話を聞いてあげる
- その子が自分から前を向こうとする瞬間を、じっと待つ
この「待つ」が、何より難しく、何より大切です。すぐに答えを出させようとせず、焦らせないこと。それが、子どもが自分の力で立ち上がるための時間になります。
そして、そっと「きっかけ」を差し出す
ただ待つだけ、ではありません。タイミングを見て、前に踏み出すきっかけを、そっと提案してあげてください。
たとえば——
- 「こういう学校があるんだけど、見学に行ってみようか」
- 「このボランティア、一緒に参加してみようか」
命令ではなく、提案です。決めるのは、あくまで子ども自身。その小さな一言が、子どもの人生を大きく変えるきっかけになるかもしれません。
親自身も、抱え込まないで
最後に、親御さん自身のことも。
不登校を「自分の育て方のせいだ」と責めてしまう方は、本当に多いです。でも、どうか、ご自身を責めないでください。不登校は、誰か一人のせいで起こるものではありません。
親が思い詰めてしまうと、その不安は子どもにも伝わります。一人で抱え込まず、学校やスクールカウンセラーなど、頼れる相手に相談することも大切な選択肢です。
まとめ
- やってはいけないのは「過保護」=子どもがやるべきことを親が奪うこと
- 欠席連絡・進路への口出し・予定管理は、自立の心を奪いやすい
- 生き生きしている子の親は、子どもの「選択」を認めている
- 「行きたくない」は否定せず受け止め、前を向く瞬間を待つ
- そっと「きっかけ」を提案する。それが人生を変えることもある
- 親自身も、自分を責めず、抱え込まないで
子どもが前を向き始めたとき、合う環境を一緒に探してあげてください。その選択肢のひとつとして、通信制高校という道もあります。
よくある質問
Q. 不登校の子に、親はどう接すればいいですか?
A. 子どもがやるべきこと(欠席連絡や進路選択など)を奪わず、見守ることが大切です。「行きたくない」という気持ちを否定せず、まず受け止めてあげましょう。
Q. 心配で、つい口を出してしまいます。
A. 心配は自然な感情です。ただ、先回りして手を出すと子どもの自立を妨げることがあります。提案はしても、最終的な選択は子どもに委ねるのがおすすめです。
Q. 子どもが動き出すのを、ただ待つだけでいいのですか?
A. ただ待つのではなく、そばで見守りながら、タイミングを見て「見学に行ってみようか」などのきっかけをそっと差し出すことが効果的です。


コメント