「うちの子は甘えているだけなのでは」「不登校なんて自分が弱いからだ」——そう思って、苦しんでいる親子がたくさんいます。
通信制高校の教員として、はっきりお伝えします。不登校は、甘えではありません。 これは気休めではなく、現場で何百人もの生徒を見てきた私の、揺るがない確信です。なぜそう言い切れるのか、本音でお話しします。
「不登校は甘え」は本当か?【結論:違います】
結論から言います。不登校は甘えではありません。
一つ、問いかけさせてください。大人の世界で、今の仕事が合わない、辛いと感じたときに転職を考えるのは「甘え」でしょうか。一つの会社に残り続けることだけが、正解なのでしょうか。
きっと、そうは思わないはずです。なのに、子どもが「学校が合わない」と感じることだけは「甘え」とされてしまう。私は、これは大きな矛盾だと感じています。
不登校は、誰にでも起こりうる
ここは強くお伝えしたいことです。どれだけ頭が良くても、運動ができても、コミュ力が高い子でも、環境が合わなければ、誰でも不登校になる可能性があります。
実際、私のいる学校には、県内トップクラスの偏差値の高校から転入してくる生徒も少なくありません。不登校は「弱い子」がなるものではないのです。たまたま、その環境が合わなかった。ただ、それだけのことなのです。
数字を見ても、それは明らかです。小・中学校の不登校児童生徒数は2024年度に過去最多の34万6,482人となり、11年連続で増加しています。これだけ多くの子が同じ状況にあるのに、その全員が「甘え」だとは、とても言えないはずです。
なぜ「甘え」と誤解されるのか
不登校の背景には、目に見えにくい理由があります。文部科学省の調査でも、不登校の理由として「学校生活にやる気が出ない」「生活リズムの不調」「不安・抑うつ」が上位に挙がっています。
さらに、起立性調節障害(朝起きられない病気)や発達障害など、体や心の問題が不登校につながることもあり、これらは決して甘えではなく、専門的なサポートが必要な場合があります。
外からは「ただ怠けている」ように見えても、本人の中では必死にもがいている。この見えなさが、「甘え」という誤解を生んでしまうのです。
「甘え」という言葉が、子どもと親を追い詰める
個別相談でお話ししていると、不登校という状況に後ろめたさを感じている方や、わが子を「弱い」とみなしてしまっている親御さんも、少なからずいらっしゃいます。
正直に言います。「不登校=ダメ・甘え・弱い」というレッテルがある限り、誰も幸せになれません。
親は「自分の育て方の責任だ」と自分を責める。子どもは自分の状況を受け入れられず、ときに親のせいにしてしまう。この負の連鎖は、すべて「甘え」という言葉から始まっています。誰も悪くないのに、みんなが傷ついてしまうのです。
親にできること・してほしくないこと
では、どう関わればいいのか。一番お伝えしたいのは、「甘え」「弱い」というレッテルを、まず外してあげてほしいということです。
お子さんを責めないこと。そして、親御さん自身も、自分を責めないこと。不登校は誰かの責任ではなく、「環境が合わなかった」というだけのこと。そう捉え直すだけで、親子の関係はずっと楽になります。
通信制高校の中の人からのメッセージ
最後に、私が心から願っていることを書きます。
いつかお子さんが大人になったとき、「あの時、不登校を経験したから、今の自分がいるんだ」——そう思えるようになってほしい。それが私の願いです。
実際、不登校を経験した生徒には、感受性が豊かで、痛みを知っている分、人にも優しく接することができる子が本当に多いのです。その経験は、決してマイナスではありません。むしろ、その子の優しさの源になっていきます。
不登校は、終わりではありません。合う環境に出会えれば、子どもは必ず前を向きます。
まとめ
- 不登校は甘えではない。大人が転職を考えるのと同じ
- どんな子でも、環境が合わなければ不登校になりうる
- 背景には心身の不調など、目に見えない理由がある
- 「甘え・弱い」のレッテルが、親子双方を追い詰める
- 不登校の経験は、その子の優しさや強さの源になる
もし今、お子さんの不登校に悩んでいるなら、「環境を変える」という選択肢もあります。お子さんに合う場所は、必ずどこかにあります。
よくある質問
Q. 不登校は甘えや怠けが原因ですか?
A. いいえ。文部科学省の調査でも、心身の不調や不安など、目に見えにくい理由が背景にあることが示されています。甘えと決めつけるのは誤解です。
Q. 成績の良い子でも不登校になりますか?
A. なります。実際に偏差値の高い高校から転入してくる生徒もいます。学力や能力に関係なく、環境が合わなければ誰にでも起こりえます。
Q. 不登校の子に、親はどう接すればいいですか?
A. 「甘え」「弱い」というレッテルを外し、お子さんも自分自身も責めないことが第一歩です。環境を変えることで前を向く子は多くいます。


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